first day of harvest

joaquinolio

さんさんと降り注ぐ太陽。「暑い!」と感じるより前に、宇宙がはらんだ生命力を思います。ここは、スペイン、アンダルシア……みたいな日差しですが、実は9月の東京です。

写真のボトルはなんだと思いますか。実は、オリーブオイルなんです。それも、特別な!

中身は、最近話題の“初摘み”どころか、“シーズン初日だけ摘み”?!

オリーブオイル「First Day of Harvest 2008」


ピクアル100%(2008年11月9日収穫)

色は黄金がかった緑色。アーティチョーク、ミント、バジル、そしてローズマリーがあわさった香り。はっきりした味わいは、ハーブを主体にしながらシトラスフルーツやグリーントマトの香りも持ち合わせ、最後にピリッとした後味が残るのが特徴です。

1780年、アンダルシアのカネナ村にて創業したカスティージョ・デ・カネナ社製

カスティージョ・デ・カネナ社HP



そして、なんなんでしょう、このボトル! 美しい緑のオイルを情熱的に包み込む赤い色、そしてこのグラフィック。優しい葉っぱのモチーフは、スペインが誇るジュエリー・デザイナー、ホアキン・ベラオ氏が描いたもの。「自然とは偉大な金細工師だ。こうして生きた宝石を生み出すのだから……」。エメラルド色をしたこのオイルに惚れ込んだホアキン氏はこう言ったといいます。取材、そしてパーティで何度もお会いしたことがありますが、包容力があって気取らない、とても大人なセニョールです。マドリッドのお家も好きでした。いえ、行ったことはないのですが(ほんとは取材する予定もあったのですが、キャンセルになったことがほんとに悔やまれます)、写真で何度も見ています。ほら、ヨーロッパによくありますよね、どこかノスタルジックな感じのする家。ホアキン氏の家には、木やら石やら貝やら葉っぱやらが無造作に置かれ、飾られ、集まって、有機的なとろーんとした雰囲気を作っています。このセンスが彼の作るジュエリーです。そこに差し込むスペインの熱い日差しが、家の中に美しい陰影を描いていました。

カネナ社のオイルは、スペイン(あのエル・ブジのフェラン・アドリア氏も)のみならず、プライドの高いフレンチのシェフさえも仕入れ、さらに数多くの賞を受賞しています。ええ、私も賞をあげたいくらい! 豊潤で爽やかな香りととろける味わい、ボトルのセンスの良さ、もう文句なしです。特別な日に特別なワインとともに楽しむのがしあわせですね。太陽の仕業に感謝をしながら!


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